借金だけで繋がっていた闇に落ちた愛ーーデートで太陽を浴びたことのない女
「今日、いくらいける?」
恋人が言う言葉じゃないのに、
その男にとっては“普通”だった。
デートの行き先は毎回ひとつ。
歓声と怒号、そして彼の期待だけが響く場所。
「今、金ないんだよね」
その一言で、私は黙って財布を開いた。
それは愛じゃなくて、“支払い”で繋がる関係だった。
レースが終わるたび、
彼は私の顔色をうかがいながら、
借金を自分の金みたいにATMから引き出していく。
それでも離れられなかった。
ひとりになるのが怖かった。
——気づいた時には、
心も財布も、もう空っぽだった。
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