ウクライナ戦争とドルの暴落?
ロシアはウクライナの東部地区、南部地区それにクリミア半島の支配を確固としたものにしており、ウクライナの主張する占領地の回復などとはまったく無理な事態になっておるようです。この様な情況で戦争を継続する事は無駄にウクライナ人の血を流すだけで、戦争の継続を望むアメリカの軍事産業関係者の利益を膨らませるだけに思われます。
去年の2月24日、ロシアの軍事進攻が始まった時にワシントンのサキ報道官はロシアへの経済制裁を発表するとともに”We have basically crushed the Russian Economy”・我々はロシアの経済を破壊した・と言いました。これは、ロシアは海外とドル決済による取引が出来なくなる、それによりロシア通貨ルーブルの暴落による輸入物資の高騰、それに伴うインフレによりロシア民衆の反プーチン運動の勃発、などを期待していたのでしょうが、実際にはロシアの石油・天然ガスはルーブルで取引され、さらにはサウジアラビアなどの精油産出国は、ドル以外の通貨でも石油を売ると表明しました。そしてBrics諸国(ブラジル、ロシア、印度、中国、南アフリカ)が共通通貨を発行しようなどと言う話も出て、逆に米ドルが暴落するのではないかと心配する向きも出だしている始末です。アメリカは一昨年の12月にはウクライナへ米軍を派遣するする事はないとの発表をしていますが、これはロシア軍をおびき寄せてウクライナのキエフ方面へ侵攻させて叩き、そのうえで経済制裁を行ってロシアを困窮させると言う作戦であったのだろうと思われますが、当初の軍事作戦は成功したのでしょうが、ロシアにアメリカドルを使わせないと言う経済制裁は世界中の第三世界の人々から反発を喰らって逆にアメリカが苦境に追い込まれた形になってしまいました。現状をみてみると、ウクライナがNatoに参加させてもらえる可能性はまったくない様に思われますし、アメリカもこれ以上の深入りは遠慮すると思われます。そうすると、ウクライナは適当な仲介者を探し一時でも早く終戦交渉を行わないと最終的にはウクライナ人の国家の消滅と言う最悪の事態も想定せざるを得ないと思われます。