投資詐欺の手口、警察が動画で公開 「広告」「グループトーク」「有名人」信じないで! 秋田 (24/03/05 20:30)
秋田県内では、連日のように特殊詐欺の被害が明らかになっている。さらなる被害を防ごうと、警察は詐欺の手口を紹介する動画を作成し公開した。「簡単にもうけられる」その言葉は信用してはいけない。
投資に関する特殊詐欺被害を防ぐための動画を制作したのは、秋田中央警察署で犯罪の抑止に取り組んでいる生活安全係の警察官だ。2023年から被害が爆発的に増えている新たな手口、金融商品詐欺の被害が発生するまでの被害者と犯人とのやりとりの一例を再現した。
秋田中央警察署生活安全係・高杉裕貴係長:
「最近被害が多発している手口。被害が広がるのを防がなければならない。広告、グループトーク、現金を取られるという流れを知らせたかった」
被害者から聞き取った情報などを基に、“見て頭に入りやすい”ように4分間の動画にした。
高杉係長:
「SNSを見ているときに表示される広告から入っていくことが多い。有名人や有名投資家の画像を使われることが多い」
警察は、金融商品詐欺の特徴は、広告からメッセージアプリのグループトークに誘導され、徐々に不信感がなくなっていく点にあると指摘する。
高杉係長:
「有名人の他にも、グループトークに参加している犯人がサクラを演じている。他にも仲間がいて、実際にもうけている人がいると誤認させるのが目的」
金(きん)、株、FX、原油などに関する投資家から紹介されたアプリをインストールし、早速5万円を指定された口座へ振り込むと、翌日アプリには2万円の利益が得られていると表示されるが、情報はすべてうそ。
ところが、数カ月間にわたりグループ内のやりとりを続けると、不信感は信頼感へと変化してしまう。いわゆるサクラの後押しもあり、徐々に振込額が大きくなる。
利益を引き出そうとするも出金することができない。そこでようやく詐欺の被害に気付く。
2023年、県内で確認された金融商品詐欺の被害額は3億9000万円余り。秋田中央警察署管内では2023年10月、女性2人がそれぞれ1億円以上をだまし取られた他、2024年は1000万円単位の被害が確認されている。
秋田中央警察署生活安全係・熊谷真央さん:
「今、投資が一般的になってきている中で、動画をたくさんの人々に見てもらい、詐欺にだまされる人が1人でも減ればいいと思う」
高杉係長:
「だまし取られた金が戻る可能性は決して高いとは言えない。犯人の手に渡った以上は、戻ってくる可能性は高くない。だまし取られた金の使い道は、犯罪組織の資金とか報酬などに使われるのだろうが、現段階では捜査中のため、詳しいことは話せない。県民の大事なお金が犯罪に使われるのは、ものすごく憤りを感じている。動画を見て、被害に遭わないようにしてほしい」
動画は、秋田中央警察署のホームページとX(旧Twitter)で公開されている。
警察は同様の被害に遭わないよう、「うまい話は信用しないでほしい」と呼びかけている。
※高杉裕貴係長の「高」は「はしご高」。